センスが良くて売れる店頭を作りたい! どうすればいいの?

店にどうやって商品を並べればよいかは難しいものです。テクニックはたくさんありますが、そのテクニックを積み上げれば売れる店頭ができるというわけではありません。ここでは、制約の多い小さな店を念頭に、商品陳列の全体像を説明し、それに適した什器を紹介します。

小さな店のレイアウトをどうすればよいか

回転什器

店長が店舗のレイアウトを考える際にいろいろなアイデアややりたいことや理論があると思いますが、それを全部考えていくと売り場面積が足りなくなってきます。しかし店長自身がオーナーの立場であるにしてもそうでないにしても、売り場面積について悩みのない人はいないと思います。どのようにして商品を陳列していくかについてのノウハウを説明します。

さっそく具体的なテクニックを紹介したいのですが、最初に考えるべきことはコンセプトになります。別の言い方をすれば店長がどのようなメッセージをお客に伝えたいかです。掘り出し物やレアアイテムが詰まっている宝箱やおもちゃ箱のような店なのか、駅前の通勤で忙しい人が必要なものをすぐに見つけてすぐに買うことができる店なのか、選びぬかれた高級品だけがそっと置いてある隠れ家のような店なのか、それは店長次第でどれがよいとかどれが悪いというものではないのですが、でも何かは最初に決めておいたほうが良いです。什器と商品陳列をそのコンセプトに従って並べていくことになりますので、コンセプトは設計図のようなものです。恥ずかしがらずに言葉にしてしまいましょう。

集客の遠中近

回転什器

店に集客をするために看板を出すのですが、店の看板は遠中近というように言われます。
遠は文字通り遠くのお客に認知をさせるということで、またその遠い距離にいるお客から自分の店がどのように見えているかを想像するということでもあります。実際の看板では伝わるのは業種と店名だけです。中は道路を歩く人が一瞬看板に目を寄せるときです。このときの時間は0.5秒ほどしかないと言われます。
近は店頭であったり店頭から見える店内の様子であったりします。これはある程度は興味と関心を持ってじっくりと見ますし、飲食店ならメニューなども読むでしょう。

さて、遠と中に関しては実は小さな店はそれほどできることがありません。バイパス沿いの大型店舗や全国ブランドというのならば、遠でブランドを周知させるというやり方もできるのですが、小さなお店はこういうわけには行きません。ホームページを出すというのはありますが、そのホームページがどれだけ目に触れるのか、広告を出せるのかと考えれば、事情はあまり変わらないでしょう。中については小さな店の場合は立地そのものであるといえます。駅前であるとかモールの中とか。店を出すときには悩むでしょうけれども、出してしまった後にできることはそう多くはありません。
ですので、小さな店が力を入れるべき場所は近ということになります。興味を引き、詳細を伝え、買いたいと思わせるのが目的ですが、これは店が大きいからといってより興味を引けるとかより詳細を伝えられるというものではないですし、店長の工夫のしがいのあるところだといえます。ここでこそ、什器をうまく使って店舗のレイアウトを作り込んで商品をうまく陳列し、客の興味を引き、詳細を伝え、買いたいと思わせることが大切になります。

見せ場と買い場

回転什器

商品陳列には「見せ場」と「買い場」という概念があります。
見せ場とは商品ディスプレイをして客の興味関心を惹くところです。買い場はサイズや色を選択するとか値段をチェックするなど、客が比較検討をしやすくするところです。例えばアパレルだと、見せ場では店のコンセプトを訴求するような尖ったコーディネートをマネキンにさせ、買い場では実際に売れ筋のグレーなどのおとなしめの色の選択肢を多くしておくなどの工夫をします。
この見せ場と買い場をつないで動線を作ります。またその動線は店舗内だけではなく店舗外、さらには看板や広告やインターネットというところまでつながっています。小さなお店の場合は看板の「近」で興味を引くところに工夫がいるといいましたが、その工夫とは具体的にはこういうことになります。
この動線の構築は什器と商品陳列を組み合わせながら作っていくことになります。見せ場のディスプレイの仕方は商品それぞれですし様々な実践方法があり店舗改善の中でも目立つところですが、どうしても面積を使ってしまい、その分買い場が圧迫されてしまいます。メリハリをつける意味でも客の選択肢を増やす意味でも、買い場における陳列方法の改善も見せ場に劣らず重要です。これには什器備品をうまく使うことが必要で、回転什器などの効率的な設備を設置して客単価をあげていきましょう。

客動線を長くする

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店舗は一般的には客単価が高いほうが良いので、客が店内を移動する動線は長いほうが良いのが一般的です。客が商品を目にする機会が増えるからです。そのための方法を説明します。
客単価よりも回転率や利便性を重視する場合は必ずしも動線が長ければよいわけではないですが、その場合でも動線を想定して工夫しなければいけないという点は同じです。
さて、動線の作り方は見せ場と選び場を組み合わせていくのが基本です。その際、森の中の散策のようなものがよいのかスマートで機能的なほうが良いのかは、それ自体に決まりはありません。ここで大切になるのは冒頭であげたコンセプトです。コンセプトは設計図であるとはこういう意味です。なので、実際の工夫はコンセプト次第のところがあるのですが、ここではどんなコンセプトでも共通する「やってはいけないこと」を説明します。
それは「客を途中で帰してしまうこと」です。どれだけ動線が長くても工夫があっても森の散策路風でもファッションショーのキャットウォーク風でも、途中で帰られてしまっては意味がありません。
ではどういうときに客が帰ってしまうのか。それは入りづらく居心地の悪い店です。具体的にいうと、店員から見張られているような感じがして落ち着かなかったり、品出しのためのダンボールがむき出しになっていて客よりも店員の都合を優先していると感じさせる店のことです。
これは店内のレイアウトや壁や柱の作りといったどうしようもない制約もありますが、それでもうまく店員の視線を隠したり、せめて正対しなくてすむといった工夫は什器備品のレベルでも可能です。また品出し用のダンボールも「バックヤードの広さを潤沢に取れるわけではない」「アパレルみたいなおしゃれ指向じゃない」「だから仕方がないではないか」という現場の意見もあろうかと思いますが、これも什器備品をうまく使えば「選び場」にもなります。

コンセプトと流れ

回転什器

ここで最初のコンセプトに戻ってみましょう。そこから全てがつながっているのが分かるかと思います。
最初にコンセプトがあって、それにしたがって店長のメッセージをつくり、それを看板や広告で遠中近に出します。そこでとらえた客の動線を店内に導いていき、見せ場で惹きつけ、買い場で選ばせます。一つ一つをバラバラの出来事と考えるのではなく、全体を水や空気の流れのようなものだとイメージしてください。波うつ流れだと想像してみると、そこにはグラデーションやパターンが見えてきます。
グラデーションとは色が薄いものから濃いものへとか、サイズが小さいものから大きいものへなど、連続した変化を意味するものです。それは商品によっては実際に色やサイズという形を取らないかもしれませんが、ここはイメージを掴んでください。
パターンは共通部分の繰り返しになります。それは動線上の客の動きを加味することでリズムになります。これは商品によって表現する場合もありますし、レイアウトや小物かもしれません。これも具体的な何かをどうすればよいかよりも、リズムをイメージしてください。
このグラデーション(変化)とパターン(リズム)を実現するための「楽器」は基本的にはあなたが取り扱う商品であり、それを演出するのは什器ということになります。その中でも特に限られたスペース内で多くの商品を陳列することの出来る回転什器は、特に客が商品を選ぶ買い場の設営にあたって有効な選択肢となるでしょう。